- 2010-05-21 (金) 8:14
- なんとなく日記
昨日、大町のNPO地域づくり工房の笠木さん、藤井さんに案内していただいて、信濃大町のマイクロ水力発電三カ所を見てきました。
マイクロ水力発電は、よくある大きなダムを使った水力発電とは全くイメージが違うもので、小さな沢や農業用水などを使って発電する小さな小さな発電設備です。CO2を出さず、大規模な土木工事もなく、環境に優しいと言われています。
大町のみなさんが取り組んでいるのは、10kw未満の小さい規模。
まかなえる電気の量は、発電機にもよりますが、2〜300wの電化製品程度から、せいぜい数世帯分くらいまでの規模と思ってもらえば分かりやすいと思います。
そんな小さい設備なんですが、驚く事実があります。
それは、設置に必要な手続き。
水利権の許可を国(国土交通省)にもらう必要があるのですが、その手続きは、巨大なダムを作って発電するのと同じ書式で、同じ審査過程が必要だということ。
目の前を流れている流水に、簡単な発電機を設置するだけなのに、その書類作成や手続きの煩雑さが、ものすごく大変とのこと。
笠木さんは、「国のお役人さんたちが、とっても親切に長〜い時間つきあっていただける」とジョークを言っていました。
それにしても、ダムと同じとは。。。
マイクロ水力が広がるためには、まず、この制度の壁が第一の大きな障害です。
さて、今回は、笠木さんたちが設置した三カ所のマイクロ水力発電施設を見学させていただきました。
なかでも、一番、すごかったのは、川上さん宅に設置されている発電機。
動いてるところを動画で撮ってみました。
この螺旋状の水車、川上さん自身の設計、オーダーメイドだそうですが、非常に優れものです。ちいさな落ち葉などの詰まりがほとんどなく、わずか数十センチの落差でしっかりと発電しています。
さらに、これも川上さん自作の設備。発電した電気は、一度直流に変換し、それを、バッテリーと、再度交流へ変換して家庭へ送るようにしています。日中は、主に家庭で消費する電気に使われ、夜間、電力会社からの安価な夜間電力と合わせて、バッテリーに蓄電するという仕組みです。
川上さんのお宅はオール電化住宅ですが、この発電設備一式で、ひと月あたり1万円ほど電気代を安くできているそうです。また、停電があっても3日間くらいは、電気に困ることはないということ。
他にも、タイプの違うものを二つ見せていただきました。
こちらは、水車の形をしたもの。
実は、現在メンテナンス中で稼働していませんでした。
水車の荷重のために、ベアリングに不具合があるとのこと。回っているときは均等に重さがかかるので問題ないのですが、止まった状態になると、一部に荷重がかかってしまい故障してしまうそうです。
動かしたり、止めたりということをすると問題が起きてしまうとのこと。
こちらは、ベトナムから輸入したという非常にシンプルな発電機。価格も本体だけならなんと8万円という安さ。
落差のあるところに、グラスファイバーの桶というか導水路を置いて、そこにプロペラのついた小さい発電機を置くだけです。見せていただいたときも、水路の横に置いてあったものを笠木さん達がその場で設置してくれました。
このときで、だいたい250wくらいの発電をしていました。
ということで、見せていただいたマイクロ水力発電。
正直、実用としては難しいものだと思います。
課題としては、
まず、前述の水利権の問題。
そして、発電コスト。実際に使用している川上さん宅の発電機は月額1万程度の電気代節約になっていますが、まともに導入するとなると300万円程度かかるそうです。(川上さんは、いろいろなつてでもっと安くできたそうですが)
そうなると、コスト回収だけで30年くらいかかってしまうことになります。常識的に考えると、既存の電力を買うほうがはるかにましとなってしまいますね。
もうひとつ、難しい問題は、これらの課題をクリアして発電した電力を、どう利用するかということ。
発電に適した場所に、電力を必要とする施設がない場合のほうが多いのです。
ということは、つまり、
またお金をかけて電気を送る設備を整えるか、その場に電気を消費するための、なんらかの施設を合わせて作るかということになります。
発電したいために、無理矢理そのようなお金をかけることに意味があるのかと考えると疑問ですね。
かといって、電力会社が買い取ってくれるかというと、事実上は、「No」ということです。
今回、緑の分権推進事業で、ニセコでもマイクロ水力のふそん量調査と実証実験を予定していますが、
そこまでは今回の事業でやったとしても、今後につなげていくにはどうしたらいいか、少し知恵をしぼる必要がありそうです。
どこで発電して、何にその電力を使うのか?
それは、コストに見合う価値があることか?
水利権の手続きにはどれだけの手間、コストを要するか?
問題を見る角度を変えないことには解決しないかもしれません。そうなると、国の事業として行われる、緑の分権改革には、制約が多すぎます。
総務省のみなさま、この事業の目的を達成するには、もっと柔軟な考えが必要だと思います。
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Comments:1
- yosh 10-06-04 (金) 14:29
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アジアは現在、水不足との事です。太陽光も勿論不規則です。風も不規則。そう考えるとジョイント部分のオン/オフで媒体との接点を使用時/不使用時でバッテリーが必要ないシステムなのかなぁと、、
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