家を守る大切な屋根。傷んできたらできるだけ早くリフォーム工事をしたいですよね。
でも、決して簡単ではない屋根のリフォーム。後悔しないためには、屋根のリフォームについていくつか知っておく必要があります。
こちらの記事では次の3つについて詳しく説明しています。最適なリフォーム方法で、安心の住まいを作りましょう。
- 屋根リフォームの種類
- 屋根リフォームの費用
- 屋根リフォームの特徴や注意点
Contents
3つのリフォーム方法を徹底解説!
まずは、3つの一般的な屋根のリフォーム方法を紹介します。それぞれの特徴を確認してみましょう!
①屋根塗装工事
屋根塗装工事とは、文字通り屋根に塗装をするリフォーム方法です。瓦やスレート材(※)の耐久性がアップし、色を美しく見せる工事です。
屋根材の塗装が剥がれる、または防水性が失われてきた際には塗装工事をしなければなりません。自然環境からのダメージが原因なので、10年前後で塗り替えが必要になります。
また、使用する塗料によって費用と耐久年数が異なり、アクリル塗料→ウレタン塗料→シリコン塗料→フッ素塗料の順で高価で長持ちすると言われています。屋根塗装工事の一般的な費用相場(約30坪の建物)は40~80万円、工期は10日〜2週間が目安です。
- 他の工法と比べて費用が抑えられる
- 既存の屋根を取り外さないので、廃材を抑制できる
- 安い塗料を選ぶと塗り替えの頻度が増える
- 基本的に3回塗装なので、他の工法より工期が少し長くなる
②屋根リフォーム重ね葺き(かさねふき)工事(カバー工法)
屋根リフォーム重ね葺き工事とは、現在の屋根をそのまま残し、その上に新しい防水紙と屋根を載せて覆うリフォーム方法です。カバー工法とも呼ばれていますが、新しい屋根を被せるだけでなく、屋根材を1枚1枚ビス止めししっかり固定しています。
既存の屋根が、スレート、金属材、アスファルトシングルといった平板素材であれば適用できます。「屋根が劣化しているけど下地は傷んでいない」という場合におすすめです。屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法)の一般的な費用相場(約30坪の建物)は80~140万円、工期は1週間前後が目安です。
- 二重屋根なので断熱性と遮音性が高くなる
- 既存の屋根を取り外さないので、廃材を抑制できる
- 屋根葺き替え工事と比べると、価格が抑えられる
- 屋根の重量が増える
- 太陽光発電などの設置が難しくなる
③屋根葺き替え(ふきかえ)工事
屋根葺き替え工事とは、今ある屋根材をすべて撤去し、防水シートも交換する工事です。下地の劣化箇所に気づくことができるので、雨漏りなどのトラブルを減らすことができます。
工事後の安心が長く続くかわりに工事日数と費用がかかりますが、耐用年数は他の工法よりも断然長いことが特徴です。また、リフォーム時に軽い屋根材を使用することで、耐震性能を上げることも可能です。屋根葺き替え工事の一般的な費用相場(約30坪の建物)は120~250万円、工期は10日〜2週間前後が目安です。
- 屋根が新築同様になるので、次のメンテナンスまでの期間が長くなる
- 下地のメンテナンスが可能
- 屋根に対しての不安や不具合がなくなる
- 大規模な工事なので期間が長く、費用がかかる
- これまでの屋根材を廃棄する廃材処理費が必要(アスベスト含有しているスレートは高額)
- 工事中は大量のホコリがでる
わが家にあった工法とは?
最近ではデザインや機能性に優れた屋根材も多く、屋根リフォームは自分好みの家に仕上げる絶好のチャンスです。しかし、既存の屋根材によっては対応できない場合もあります。各リフォーム方法で気をつけたいポイントをいくつか抑えておきましょう。
注意すべきポイントをチェック!
【屋根塗装工事ができない】
・既存の屋根にアスベスト(石綿※)が使われている場合
・屋根材が劣化している場合(歩行するだけで屋根材が割れるなど)
・築30年以上で3回目の塗装になる場合
↓
屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法)、屋根葺き替え工事ならばリフォームができる |
かつて建築資材に使用されていた繊維状の鉱物。屋根材ではセメントを固めたスレート屋根の耐久性を上げるためにつなぎとして練りこまれていた。しかし、後に健康被害のある物質と認められ、現在は使用されていない。
屋根塗装では、屋根材を高圧洗浄する際にアスベストが飛散すると言われている。
【屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法)ができない】
・屋根や屋根材の下地が劣化している場合
・既存の屋根が瓦の場合
↓
屋根材を新しくする屋根葺き替え工事、既存の瓦を再利用した屋根葺き直し工事でリフォームができる |
【屋根葺き替え工事ができない】
・2004年以前に製造されたスレート材の屋根の場合(工事でアスベスト(石綿)が飛散する危険性があるため撤去が難しい)
↓
有資格者がいるリフォーム会社を選ぶ。または、屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法)でリフォームができる |
※アスベスト(石綿)を含む屋根材を撤去するのに必要な資格には「石綿作業主任者」「アスベスト診断士」「特別管理産業廃棄物管理責任者」などがあります。
ご自宅に合ったリフォーム方法は見つかりましたか?今回ご紹介した3つの屋根のリフォーム方法を比較してみました。
最終的に必要な総額費用については、リフォーム会社に現地調査の上、見積もりを作成してもらい、しっかりと確認しておきましょう。
屋根リフォーム比較表
費用相場
(約30坪の建物) |
メリット | デメリット | 耐用年数 | |
屋根塗装工事 | 40〜80万円 | ・費用が安い
・予算や必要な性能に合わせて塗料が選べる |
・メンテナンスの周期が短く、長期的に見ると高額になることも | 10年前後 |
屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法) | 80〜140万円 | ・工期が短い
・断熱性、遮音性が高い |
・屋根の重量が重くなる
(耐震性を上げるには屋根材に注意が必要) |
20年前後 |
屋根葺き替え工事 | 120~250万円
(スレート系や金属系は120~180万円) |
・耐用年数が長い
・屋根材の種類や、色、機能性を選べる |
・費用が高い
(廃材処理費などの費用が追加される) |
スレート瓦→20~25年
ガルバリウム鋼板→40~50年以上 日本瓦→50~80年以上 |
屋根リフォーム完成までの流れ

屋根のリフォームを依頼すると、「どのようなことを聞かれてどんな作業が始まるのだろう…」と不安に思う方も多いでしょう。また、大切なことを確認せずに契約を急がせ、すぐに工事に取りかかろうとする悪徳業者がいるのも事実です。まずは、一般的なリフォーム会社とのリフォームの流れをご紹介します。
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調査~契約までの費用や完了後の保証期間など、リフォーム会社によって大きく異なります。後悔しないためには、複数のリフォーム会社に見積もり依頼をし「比較検討」することが大切です。
また、工事中の事故やトラブルに関しても、ぜひチェックしてください。契約をする前にリフォーム会社が保険(賠償保険、共済制度など)に加入しているか聞いておくと、その後も安心して工事を任せられます。
※屋根のリフォーム工事は火災保険が適用される場合があります
契約内容や保険会社によって適用範囲が異なるので、リフォーム前に一度問い合わせるといいでしょう。 |
まとめ
最近は屋根の種類も豊富になってきました。リフォーム会社からの提案だけでなく、施主側も屋根材の特徴を確認して選ぶことが大切です。一生に何度もあるわけではない屋根のリフォーム。どのリフォーム方法にするか迷ったら、今の住まいにあと何年住むかを改めて考えてみてはいかがでしょうか。